アキさんのレース完走記
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和歌山城〜高野山往復110kmウルトラマラソン  2003年10月19日
10月18日(土)
 9:13 東京発新大阪行き「のぞみ」に乗り込む。初めてののぞみ。のぞみは速い!昼には大阪に着いた。昨日まで、和歌山の中心(県庁や和歌山駅)まで、大阪から1時間で行けるなんて知らなかった。こちらで言えば、東京〜春日部ってとこか。
昼を食べてもあまりに早く着いてしまうので、生まれ故郷の神戸に寄った。須磨と言う所。まあ、そんな事はどうでもいい。
 16:00 和歌山駅からバスで5分。県庁前停留所の向かいのビル(?)で受付。道路を挟んで和歌山城がある。コースの地図が配られる。よくわからない。等高線しか書いてないような・・・。標高900mは嘘ではなかった。往路の25q辺りから45q辺りまでで480m上り、最後9qから折り返し地点までさらに400mも上るのだ、ゲゲッ・・・・。
とりあえず、近くのホテルにチェックイン。
 18:00 ベッドにはいる。しかし眠れない。緊張しているのか。この3ヶ月半、あれだけ走り込んだのだからもうここにきてじたばたする必要もないし、何の心配もないはずだ。落ち着こう。ラジオを聴くが、日本シリーズしかやっていない。聴いてしまう・・・。あれっ?巨人は出てないの?

10月19日(日)
  0:00 寝たような寝てないような。
  0:30 1時間半後のスタートに緊張しながらおにぎりを食べていると、友人から激励の電話。気持ちが落ち着く。友人に感謝。
  1:40 スタート地点の和歌山城に向かう。
この大会は基本的には朝6時スタートだが、最終ゴールが18時とあって、12時間では無理と言うランナーは自己申告でアーリースタートができる。0時からラジオの時報毎にスタートだ。私は2時を選んだ。16時間あれば何とか完走できるかなと思いこの時間にしたが、自信はなかった。
  1:55 2時スタートのランナーの写真撮影。
  2:00 時報と共にスタート。皆、かなりゆっくり。
始めの5qぐらいは片側2車線の広い国道の歩道を走った。国道を右に折れると、店もあまりなく、一気に灯りが少なくなる。いつの間にか、2時スタート組のトップグループは私を含めて3人になっていた。一人は長身の50代ぐらいの男性。もう一人はやはり50代と思われる女性。二人とも何度か経験があるらしく、たまに、「こんな所にコンビニができたね」などと話していた。
 
 25qを過ぎたあたりから急に民家もなくなり、ひたすら上りになる。真っ暗だ。とにかく真っ暗。三日月と星明かりだけ。でも、山間(やまあい)からオリオン座や北斗七星を見上げながら走るのもまた格別だった。雰囲気としては、秩父の奥や正丸峠あたりの道を夜中に走っている感じ。二人はしっかり懐中電灯を持っていたので、便乗して着いていった。と言うか、置いて行かれるとものすごく不安になるので着いて行かざるを得なかった。特に、経験者の二人も初めてと言う、「銃声」に驚く。こんな夜中(早朝)に狩りをやっているようだ。どんな所だここは!頼むから撃たないでくれ!

真っ暗な山間を黙々と走る。妙な連帯感を感じたのは私だけだっただろうか。3人は一塊の風となって、高野山に向けて流れていった(ちょっと文学的?)。

早朝はエイドの開設が間に合わない所もあり、初めてのエイドはなんと30q地点。時間は5時ちょい過ぎ。おおっ、この分では、片道6時間切るかぁ?すげぇじゃん!なんて事を思いながら、またひたすら走る。

その頃から少しずつ周りが明るくなる。夜明けだ。山の夜明けは美しい。

しばらく走ると、前方にランナーが。「おはようございます」元気良く挨拶して追い越す。折り返し地点までで12時スタートのランナーや1時スタートのランナーを何人も抜いた。ゼッケンの色で何時スタートか分かる。多くのランナーから、「何時スタートですか?」と聞かれ、「2時です。」と答えると、「速いなぁ〜!」と言われた。「速い」なんて言葉と縁のなかった私のマラソン人生、も〜んんんんんのすごく嬉しかった。

そうこうしているうちに、46q地点のエイド。さあ、これからラスト9qの上りが始まる。ここは絶対歩かないようにしようと心に決めた。きつかった。(藤原湖で言えば、水上を過ぎ、奥利根国際を過ぎ左折して山を上るが、その上りが9q続くと思えばいいか。いろは坂なら、それぞれのカーブまでの距離を縮めて勾配をきつくした感じか。)

帰りはここを下れるんだ!と思い、踏ん張って走って上った。歩道が無いので車に気をつけながらひたすら走る。高野山真言宗の総本山・金剛峰寺を横目で見ながら折り返し地点に到着(金剛峰寺は、豊臣秀吉が亡き母の菩提を供養するために建立したものだそうだ)。
時計を見ると、タイムは、な・な・な・なんと!6時間10分。55qを6時間10分?(実際は56.5q) 帰りは下りだし、12時間切れるぜ、これは!!なんてバカな事を考えたりしていた。

折り返し地点から2.3q戻った所に荷物が運ばれているので気分を変える為に着替えた。ここはゴンちゃんたち、ウルトラの先輩のアドバイス通り。痛くはなかったが足首にテーピングをしたり、うどんを食べたり、30分近く休憩して再び走り出した。しかし、体が冷えて思うように走れない。まして下り。ぎごちなく小走りに下っていく。
と、200mもしないうちに、足が痛い。「あしくびかんたん」のテープが足の裏で段になり、痛くて走れない。700円のテープ、200mで処分。

72qのエイドを過ぎたあたりから右足の裏が急に痛み出す。走れない。だましだまし歩く。何人にも抜かれたがしょうがない。頼みは○ロンパスイン○メタシン。シューと一発!あら不思議・・・とはいかなかったが、徐々に効いてきてまた走れるようになる。

残り20qのエイド。90も走ったのか。良く走ったな。

残り12qのエイドでは、医者がマッサージやテーピングをしてくれる。ラスト12qか。気合いを入れる為に、走り屋ピンクのランシャツランパンに着替える(しかし、脱いだタイツとTシャツは重かった)。はがれた「ひざかんたん」のあとに、テーピングをしてもらい、いざ、出発。しかし、休んだ事とランシャツになった事で、またしても体が冷え、思うように走れない。風も出てきた。寒い。残り12q。

ラスト5qの国道に出る。朝知り合って、何度かエイドで話しをした、頭の先から阪神グッズで身を固めたにいちゃん(後で聞いたら37歳)と一緒になる。マラソン談義に花が咲く。しっかり走り屋の事も宣伝する。彼は月間150q程度しか走らないのに、毎年このウルトラは13時間程度で完走するとか。さながら見沼ランのように、楽しく喋りながら走っていたら、もう目の前に和歌山
城。

そして、FINISH。スタッフや観客?の拍手!

終わった〜!

まだ明るい。3時半。結局、13時間29分03秒でゴール。勝因は、とにもかくにも練習量だろう。7月の月間500qは充分自信になった。足の痙攣がなかったのもそのせいか。エイドで梅干し3個を必ず食べたのも?

しかし、後半は7時間かかった事になる。無駄だったテーピング(自分で巻いた「あしくびかんたん」)の時間のロスと、体の冷えと、足裏の痛みが無ければ13時間を切るのも夢じゃないと思った。今後の課題だ。

近くの銭湯に行き、汗を流し、待ちに待った飲み放題、食べ放題(食べ物は大した事はなかった)。阪神のにいちゃんと、その友人たちとお開きになるまでまたまたマラソン談義。みんなようやるよ。って感じだ。何かにとりつかれているよう。自分もその一人か。でも、このほのぼのとした雰囲気。いいなぁ。

走る前は自分の体がどうなるか不安だったが、終わってみれば今年の荒川の方が疲れたかな、といったところ。

完走した事はものずごくうれしかった。それも14時間を切ってるし。申し分ない。しかし、感動は去年の富士五湖77q程はなかった。何故だろう?

精魂尽き果ててはなかったからか?まだまだ余裕があったのか?

よくわからない。でも、一大イベントを終えたという安堵感はあるものの、空虚な気持ちにはなっていない。113q走破は、通過点。
 
次の目標は、勿論、「チャレンジ富士五湖117q」。